住友生命が新規事業プログラムを新設、大手保険会社のイノベーション創出のリアルと「本気度」

住友生命保険相互会社では2020年、株式会社アルファドライブ(AlphaDrive)の新規事業開発制度設計支援と事業開発プロセス伴走支援を受け、新たに社内の新規事業創出プログラム「スミセイInnovation Challenge(イノチャレ)」を立ち上げました。

「イノチャレ」は初年度、全国の職員から目標の2倍を超える応募を獲得。そこには新規事業の創出だけでなく、人材育成や風土改革も含めた事務局の狙いや、強い思いがありました。

1907年(明治40年)創業、全国に約4万人の職員を抱える保険会社の、イノベーション創出への挑戦に迫ります。

相模 佳代 様

新規ビジネス企画部 部長代理

渡辺 翔 様

新規ビジネス企画部 副長

淺田 裕樹 様

新規ビジネス企画部 主任

宇都宮 竜司

株式会社アルファドライブ

AlphaDrive(以下AD)宇都宮:
アルファドライブにご依頼いただいた経緯を教えてください。

渡辺様:
2019年の4月に新規ビジネス企画部が立ち上がりました。社外の様々な方々とオープンイノベーションで新たな事業を創造することが部の大きなミッションです。

新規事業の領域として、Well-Being領域をメインに検討しています。当社では “住友生命「Vitality」”という健康増進型の保険をお客さまに提供しています。日々の運動に応じてポイントが溜まっていき、ポイントに応じて翌年の保険料が変動するという、行動経済学の仕組みを取り入れた画期的な保険商品です。
※Well-beingとは「身体的、精神的、そして社会的に健康で満足された状態」、ひいては「そうあるための 行動、選択、自分なりのライフスタイルを積極的に追求すること」と定義しています。

この“住友生命「Vitality」”を中心として、様々な形の健康に関するサービスをお届けする会社として進化することに挑戦しており、体の健康に加え、心の健康や、社会的な健康に資するサービス「WaaS(Well-Being as a Service、ワース)」を模索しています。

新規事業の考え方としては、今まで当社が接点を持てていなかったお客さま(マーケット)に、新たなテクノロジーなどを活用することで既存の保険商品をお届けすることや、既に当社の保険にご加入いただいているお客さまに、新たなサービスを提供することも新規事業の一つであると考えております。

もちろん一番の目標は、当社として接点を持てていなかったお客さまに新たなサービスを提供すること(いわゆる「飛び地の新規事業」)によって当社のお客さまとなっていただくことだと考えています。

うちの部署だけで新規事業は起こせない。4万人の職員のアイデアを

2019年の新規ビジネス企画部の発足早々、AlphaDriveさんに新規事業を創り出していくうえでのノウハウや考え方について研修をしていただきました。新規事業に関しては素人集団で何もわからない中、AlphaDriveのみなさまの研修を受けて、非常に感銘を受けました。当部のみんな、AlphaDriveさんのファンになりました。

研修を受けている中でも感じたことは、当部のメンバーだけでは新規事業は創り出せないということです。住友生命の全国の4万人の職員一人ひとりが、新しい事業・サービスを開発するという強い思いや、日々の仕事に課題や改善の視点を持って業務に取り組む必要がある。そんな思いから、社内全職員のアイデアを集めてブラッシュアップして事業化できるような、社内の新規事業創出制度を作ろうということになりました。

相模様:
色々な大学や企業、自治体さまなど、外部のみなさまとコラボレーションをしながらオープンイノベーションを推進するのが当部のミッションなのですが、全社的なインフラとしてのイノベーション創出の仕組みを生み出すことも、我々のミッションの1つだと考えました。

渡辺様:
それまでは、社内の業務改善に関する提案を行う「社内提言制度」がありましたが、この制度をレベルアップする形で新規事業創出制度を作れないかと、人事部とともに検討しました。

しかし、知識やノウハウもなく、どのように進めていけばよいかわかりませんでした。抜本的にガラッと変わった今までにない新たな制度であると社内に打ち出すためにも、やはりオープンイノベーションでやるしかない。

社内新規事業をサポートしてくださる企業は複数ありましたが、当部向けの研修を実施いただいていたこともあり、AlphaDriveさんにまず相談しよう、と。改めてお話を伺って、企業内新規事業創出の豊富なノウハウをお持ちであることや、サポートいただく方々がまさに新規事業のプロフェッショナルだったことから、やはりAlphaDriveさんと一緒にやろうと決めました。

バイブル、研修で「顧客重視」に納得

淺田様:
当部部長の藤本が、人事異動で新たに来るメンバーに、お勧めする本があります。 AlphaDrive代表の麻生要一さんの『新規事業の実践論』(ニューズピックス、2019年)です。

私は異動前ロンドンにいましたが、電子書籍で『新規事業の実践論』を購入して、読んでから帰国しました。部の全員のバイブルです。

麻生さんの著書やAlphaDriveさんの研修を通じて印象に残っているのが、「お客さまの声を300回聞きなさい」という言葉です。お客さまや、お客さま候補になる方のご意見をしっかり聞きに行かないと、本物の新規事業は生み出せないと実感しました。

また、お客さまへのヒアリングの仕方について、「なぜ、なぜ、なぜを5回繰り返す」という点も驚きました。「顧客は嘘をつく」というキーワードもすごく印象に残っています。確かに今までのインタビューの仕方だったら、知らず知らずのうちにバイアスをかけていたかもしれません。

そういった教えを受けて、「確かにそうだよね」と、みんなすごく納得しました。それまでの案件がなぜ進まなかったのかなど、まさに悩んでいたことを解決してくれました。衝撃を受けましたね。

人事異動を伴う。会社としての「本気度」を制度に

AD宇都宮:
まずは研修から入らせていただき、2020年2月ごろから新規事業プログラムの検討を開始、6月から全社に応募開始の通知を出し、「スミセイInnovation Challenge」(イノチャレ)の運営がスタートしました。

「コンテスト的に表彰して終わるのではなく、評価された案件を会社としてしっかり応援し、事業化に向けて前進させられるような制度にしたい」というご要望に応じて、議論しながら一緒にプログラムを作らせていただきました。

社内提言制度の過去の応募状況から、解決したい課題を持っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃると伺っていましたので、意欲のある方が、ちゃんと思いを形にしていくところがポイントだと思っていました。

相模様:
まさに今、宇都宮さんがおっしゃったところをダイレクトに変えていくために、一番難しかったのが「人事異動を伴う制度にする」というところでした。

それまでの社内提言は、提出後、提言内容の所管となる部署が採用可否を検討し、提案者自身は元の仕事に戻るという仕組みでした。そこには、やはり本当にウィル(思い)を持っている人が自ら取り組まないといけないという課題感がありました。

ですので、新たな社内提案制度で採択された提案については、可能な範囲で当部に異動してきて提案者自らが実証実験に取り組めるような仕組みを作ろうと奔走しました。社内の関係部門に納得してもらうのがとても難しかったところです。そこが大きなポイントかなと思います。

淺田様:
制度を作るうえで大切にしたのは、会社として選出した新規事業アイデアは本気で進めていく、という意思表示です。社長の高田をはじめ、十数名の審査員で厳正な最終審査を行う仕組みを作り、通過した新規事業アイデアについては本気で取り組んでいく。イノチャレを通じて、そういった風土を作ることはできたのかなと思っています。

渡辺様:
人事異動を伴う制度にするのは非常に大変でした。当社は人事部が二つに分かれていて、保険の営業をメインとする職種は営業人事部という部署が所管し、我々のような営業職ではない職種は人事部が所管しています。双方の部署をはじめ、関係部門とその担当者、上長、担当役員にも目的や意義を伝えられるよう、説明を尽くしました。

最終審査に審査員として関わってもらった13名の役員には一人ひとり、個別に時間をもらい制度の構想を伝え、理解いただきたい、と訴えました。

「本気の取り組みですから、全員でやりますよ」社長からのメッセージ

渡辺様:
初めてのことでドキドキしながら当部部長の藤本に話をしたら、「あ、いいんじゃないの」と言われてすごく嬉しかったです。当時社長の橋本に直接、制度の説明をした際に、「できれば社長からも激励メッセージのような形で動画撮影のご協力をいただきたい」とお願いしたところ「いいよ」と。

社長のメッセージはこのようなものでした。「やはりこれからの時代は一人ひとりが新規事業創出の意識を持つことが重要です。このプログラムは本気の取り組みですから、全員でやりますよ。最終審査は私も参加するので、皆さんからのご応募を待っています」と。応募期間中に動画配信をさせていただき、それはもう効果絶大でした。

そして結果として、209件の応募が集まりました。

淺田様:
元々100件を目標にしていて、正直、経営層からも「本当に100件も集まるのか」という指摘もあったのですが、「頑張って集めます」と言い切って発車しました。

インプット研修も好評。制度を「生きた形」に

結果、会社の本気度がしっかりと伝わったのが一番大きかったのかなと思います。社長のメッセージ動画も奏功し、社内の空気感も変わった感じがしました。

1ヶ月弱の応募期間中、業務時間外の平日と土曜日に1回ずつ、AlphaDriveさんのインプット研修を実施しました。蓋を開けてみたら100人近くの職員が参加してくれました。すごい熱量で、「感動した」というフィードバックもありました。

渡辺様:
新規事業という、当社でこれまでにない考え方を教えてくださる研修なので、非常に好評でした。応募期間中には毎週、計4回、Zoomでオンライン説明会も実施しました。改めて社長のメッセージ動画を流したり、分かりづらいポイントを説明したりしました。そういったフォローアップ施策も当社では珍しかったのではないかと思います。

AD宇都宮:
事務局の皆様が走り回って、制度を本当に「生きた形」にしてくださったのが多くの応募を獲得した理由の第一だと思います。

加えて、従業員の皆さまがものすごくいろんな思いを持っていらっしゃったのだと思います。コロナ禍でなかなか外出できず、仕事もそれまで通りにはできなかった時期でした。社会が変わっていく中でいろんな課題意識をお持ちで、多くの方が「イノチャレ」に挑戦されたのだと思います。

「ワクワク感」かき立て、全国から、幅広い層の応募を獲得

相模様:
今回、社内周知に尽力し、メッセージに注力したことで、幅広く「自分ごと化」を促すことができたのかもしれません。1年目、2年目の職員から本社の担当部長クラスまで、幅広い年代からの応募がありました。

渡辺様:
世代も役職も本当に幅広く、また全国からも集まり、すごく嬉しかったです。当社は全国に営業拠点があり、北海道から沖縄まで全国約1,600箇所の支部が散らばっているのですが、支部の事務担当の方からの応募もあり感激しました。

淺田様:
説明会の際などに熱く語りかけて、全く新しい制度であること、本当に通過すればアイデアが実現するのだという本気度をしっかり伝えることができたことが、職員の心を動かしたのかなと感じています。

相模様:
一次審査、二次審査、最終審査の3回の審査を設けましたが、最終審査の審査員にはAlphaDriveさんのほかにもスタートアップの経営者やベンチャーキャピタルの方にお願いしました。審査員として社外の方の目が入るというのも、チャレンジする方の信頼度を高め、ワクワク感をかき立てたのではないかと思います。

通過しなかったチームにも、しっかりフィードバック

渡辺様:
二次審査を通過した10チームに対しては、最終審査までの3ヶ月間、月に1度AlphaDriveさんによるメンタリングを実施いただき、事務局からはメールやオンライン通話で進捗状況の確認や相談ごとなど、個別に手厚くやり取りさせていただきました。

残念ながら審査を通過しなかった方にも一人ひとり、丁寧なフィードバックのコメントをAlphaDriveさんに作成していただきました。応募してくれた方からしたら、しっかりとアイデアを受け止めて、考えてくれた結果だと伝わったと思います。

一次審査に通過しなかった方はメールで、二次審査以降はオンライン面談で丁寧にフィードバックを行いました。当然、応募者の悔しさも受け止め、質問にも真摯に向き合いました。そういったことでも、制度の本気度が伝わったかなと思います。

「顧客課題に着目することの大切さに気づかされた」

渡辺様:
一次審査や二次審査で通過された方々は、AlphaDriveさんのメンタリングも含めて、自身の成長につながったと思います。実際に「成長するいい機会になりました」という声もたくさんありました。やってよかったと思います。

淺田様:
AlphaDriveさんは顧客課題にすごく着目した上で研修やメンタリングをしてくださいます。残念ながら当社内ではこの考え方がまだ浸透しておらず、ソリューション先行になりがちです。「顧客課題に着目することの大切さに気づかされた」という声もよく聞きます。

相模様:
主に宇都宮さんとAlphaDrive執行役員の古川央士さんにメンタリングいただきましたが、「アメ」と「ムチ」感がありましたね。アメの宇都宮さんと、ムチの古川さん(笑)。

渡辺様:
古川さんが「顧客がいないんですよね」とビシッと指摘して、宇都宮さんが丁寧にフォローすると。

相模様:
バランス感が絶妙でした。

渡辺様:
たくさんの企業様の様々な案件をメンタリングされているので、どの領域も広くご存知で、様々な情報提供をいただきました。実際にメンタリングを通じてシナジーがありそうな企業につないでくださったこともありました。AlphaDriveさんだからこその素晴らしいネットワーク、ノウハウ、知見だと感じました。

淺田様:
数多くの企業の新規事業創出を支援されているので、やはり様々な引き出しやノウハウをお持ちだと感じました。社長動画のアイデアや、「イノチャレ」の審査基準もAlphaDriveさんにいただいたものです。我々だけでは絶対作れなかった制度でした。

相模様:
「こういう壁にぶち当たった時に、他社さんはどうやって乗り越えたんですか」と相談したこともありました。豊富な他社事例たくさんのヒントをいただきました。

入社1、2年目のチームが堂々と最終提案へ

相模様:
応募者に寄り添う中で、本業との両立に苦しんだチームへの伴走が大変だったことを思い出します。若手だと周囲に気を使いますし、営業現場に近い組織である支社では、現場でやらなければいけないことがたくさんあるというのが我々も経験上わかっているので、色々アドバイスさせていただきました。

AD宇都宮:
入社1年目と2年目の3人組のチームですね。本業が忙しそうで、平日の日中に打ち合わせをしたり、ヒアリングに行ったりするのが難しい中、それでもなんとか最終提案までやりきれたのは、事務局の皆さんの丁寧なアドバイスと、かなり踏み込んだ支援のおかげでしたね。

淺田様:
若手チームは惜しくも最終審査では通過しなかったのですが、入社1、2年目で、社長や役員を前にすごく堂々とプレゼンしていました。彼らにとってはまたとない機会でしたし、社内の若手職員からも「自分と同じ年次の職員が社長達を前にプレゼンしていて、刺激を受けた。自分ももっと頑張らなくてはと思った」という声をいただきました。社内報でも彼らの奮闘が取り上げられました。

AD宇都宮:
すごく高速で実証実験を繰り返し、ソリューションの仮説検証までして最終プレゼンに漕ぎ着けたチームもありました。

渡辺様:
最終審査に臨んだ10チームの進捗はバラバラで、なんとか何人かにヒアリングできて、「なんとなく仮説の検証ができています」といったレベルのチームが大半で、「顧客って誰だっけ? 課題って何だっけ?」というところに戻ってしまうチームもありました。

その中で、自分の課題感や仮説についてしっかりヒアリングもした上で、ソリューション案を社内で試験的に開始することを想定して実際に案内して、どれくらいの申し込みがあるのか、というところまで検証した人もいて、ものすごく説得力がありました。その結果最終審査を通過し、現在は新規ビジネス企画部に異動し、苦しみながらも着実に自身の案件を進めています。

相模様:
最終審査を通過し、事業化まで見据えて、本格的な実証実験に向けて異動してくると、様々なハードルがあります。ただそういう試行錯誤ができる環境にこられたのは「イノチャレ」のおかげかなと思います。最終審査当時からピボットを検討している案件もあります。

部下の支援を理解し激励、上長からの応援メッセージ

渡辺様:
応募形式はメールですが、応募者の挑戦を所属長にも理解してもらうために、フィードバックなどは全て上長もccに入れた上で送るようにしていました。そのうち何人かは我々にもccを入れて、「いい勉強になりましたね」などと応募者宛に返信をしてくれたり、「一次審査合格です。おめでとうございます」というメールに対しても「よかったですね」「楽しんでくださいね」というメッセージを送ってくれたり。我々としても非常に嬉しかったです。

AlphaDriveさんからは最初、「イノチャレ」にしっかり取り組んでもらうための一つの方法として、本業に加えて「イノチャレ」での活動も8対2や7対3といった割合で人事評価の対象にするのはどうかとご提案をいただきましたが、結局それは難しいということになりました。

そんな中、部下の挑戦を理解し応援してくださる所属長がいるということはすごくありがたく、嬉しいことです。

相模様:
賛否が分かれるかもしれませんが、所属長によってはメンバーに対して「挑戦してみなさい」と言ってくださる部署も複数ありました。

ビジネス環境が激変する中で、各所属長もこのままではいけないというある種の危機感をお持ちだったのではないかなと思います。だから我々と一緒に、挑戦したい人の自分ごと化をサポートし、背中を押してくれたのかなと思います。

「全部のエントリーシートに目を通したい」

淺田様:
私がすごく印象に残っているのは、本社部門の部長層に209件の応募がありましたと報告したところ、とある部門の部長から「全てのエントリーシートを見せてほしい」と言われたことです。「日々の業務で忙しい中、職員が提出したエントリーシートなので、全部目を通したい」ということで、209件全部お渡しして読んでいただいたのが心に残っています。

渡辺様:
大阪本社にいた当時の副社長も非常に興味を持ってくれて「一次審査の通過案件を全部教えて欲しい」といった照会があり、実際に報告に行きました。社内の経営層からも強く興味を持ってもらえたのがすごく印象的でした。

いい意味で、絞りきれなかった

AD宇都宮:
私が印象的だったのは、初年度、最終審査に進出した10件のなかで、元々は2件採択の想定だったところを、審査員のみなさまが「良い案件ばかりで選びきれない」となり、会社として追加予算がかかるのも承知で6件が選ばれたことです。会社としての本気をすごく感じたポイントでした。

相模様:
「社外の目を入れよう」という方針で合意していたので、スタートアップの経営者やVCの代表の方など社外審査員の評価を重要視した案件もあります。

渡辺様:
良い意味で絞りきらなかったです。10件中6件も通過というのは私の方では判断できないのですが、そこでトップ同士が「私が責任を取ります」「純粋に選びましょう」といったやりとりをしていて、胸が熱くなりました。

相模様:
異動を伴う可能性があるということで、全社的な人事異動の枠や、次年度への影響もあり、たくさん選ばれることが必ずしも正解ではないのだとは思います。選んだアイデアをどう仕上げていくかというところがこれから問われていると思っています。

渡辺様:
今、部門横断的なプロジェクトチームが立ち上がっているので、検証しながらより良い形が考えられたらいいなと思います。

会社のビジョン・ミッションに沿ったアイデアが増えた2年目

淺田様:
2年目となった今年は、応募数自体は昨年の209件より少なくなりましたが、その分社内提言や既存業務の改善といった内容は減り、新規事業領域にしっかりコミットした提案が多くなりました。

昨年は幅広く社会課題解決を目指す提案が多かったのですが、今年はより地に足のついた内容で、中でも、社長の高田が掲げ会社が掲げる大きなビジョン・ミッションである「WaaS(Well-being as a Service)」領域の新規事業提案がすごく増えました。

AD宇都宮:
加えて、昨年からの再チャレンジの方も多いということもあり、また今年初めての応募となった方でも、昨年から事務局の皆さんの熱心な社内広報活動に触れているので、「顧客課題」起点で何かを伝えようとしてくださっている方が多かったという印象はあります。

応募者のエントリーシートの構成も上から「顧客」「課題」「なぜそれをやりたいのか」という順になっていて、最後「アイデア」となっています。あまり評価されないエントリーシートは末広がりというか、アイデアやソリューションの欄がたくさん書かれているものが多いです。

今年のエントリーシートは「顧客」「課題」「なぜやりたいのか」という大事なところをしっかり説明してくださっている案件が増えたという実感があります。

渡辺様:
研修を受けてくださった方についてはだいぶ浸透してきたのかなと思います。私たちの目指すところは、職員全員に顧客起点の考え方を持ってもらうことです。まだまだ「イノチャレ」をよく知らない方もいらっしゃるので、より多くの職員のマインドを変えていくためにも、引き続きチャレンジしていきます。

「イノチャレ」で育った人が、どんどん活躍していけるように

また、全社的にオープンイノベーションを推進していく仕組みとして、CVCファンドを立ち上げました。スタートアップと協業する時に、出資もセットでできて支援していきながらwin-winで進められる仕組みなのですが、現時点ではまだ課題も多いです。

まだまだ目の前の仕事以外の新しいことに取り組むのが難しい中で、これまで培われてきた風土を変えていくのはすごく大変なことですが、まさにイノベーティブな発想や課題解決のマインドが養われた「イノチャレ」で育った人たちや、その周囲の感銘を受けた人たちが、どんどん新しい仕組みを活用して活躍していけるようにしていきたいです。

AD宇都宮:
そうですね。最後に、今後AlphaDriveに期待することを教えてください。

淺田様:
AlphaDriveさんは他社事例も含めて様々なノウハウを持っていらっしゃるので、積極的に新しい知見や仕組みを採り入れて、イノチャレを通じて、全職員をもっと刺激できるようなものにしていきたいなと思っています。

相模様:
そうですね。そういう意味でも、前年に採択された案件で担当者が異動してきて、「その後どうなっているのか」というところも、本当に重要だと思っています。シビアに見られていると思います。

渡辺様:
「イノチャレ」を形骸化させることなく、もっと身近に、気軽にチャレンジしてもらうにはどうしたらいいのか、アドバイスをいただきながら進化させていきたいです。
来年度に向けてどういう種を撒けるか、勝負どころだと思っています。

AD宇都宮:
おっしゃる通り、制度の真新しさから応募いただいている方もいらっしゃる中で、継続的に興味を持った人が応募し続ける、「生きた制度」にしていくっていうのがこれからのチャレンジだと思います。ぜひ一緒に頑張りましょう。

淺田様:
オープンイノベーションのルールとして、「自ら止めるな」「突き進め」というマインドがあります。新規ビジネス企画部としては「Don’t stop me now」を掲げています。「イノチャレ」という挑戦も立ち止まることなく、前進させていきたいです。引き続き、ご支援よろしくお願いします。

会社のビジョン・ミッションに沿ったアイデアが増えた2年目

淺田様:
2年目となった今年は、応募数自体は昨年の209件より少なくなりましたが、その分社内提言や既存業務の改善といった内容は減り、新規事業領域にしっかりコミットした提案が多くなりました。

昨年は幅広く社会課題解決を目指す提案が多かったのですが、今年はより地に足のついた内容で、中でも、社長の高田が掲げ会社が掲げる大きなビジョン・ミッションである「WaaS(Well-being as a Service)」領域の新規事業提案がすごく増えました。

AD宇都宮:
加えて、昨年からの再チャレンジの方も多いということもあり、また今年初めての応募となった方でも、昨年から事務局の皆さんの熱心な社内広報活動に触れているので、「顧客課題」起点で何かを伝えようとしてくださっている方が多かったという印象はあります。

応募者のエントリーシートの構成も上から「顧客」「課題」「なぜそれをやりたいのか」という順になっていて、最後「アイデア」となっています。あまり評価されないエントリーシートは末広がりというか、アイデアやソリューションの欄がたくさん書かれているものが多いです。

今年のエントリーシートは「顧客」「課題」「なぜやりたいのか」という大事なところをしっかり説明してくださっている案件が増えたという実感があります。

渡辺様:
研修を受けてくださった方についてはだいぶ浸透してきたのかなと思います。私たちの目指すところは、職員全員に顧客起点の考え方を持ってもらうことです。まだまだ「イノチャレ」をよく知らない方もいらっしゃるので、より多くの職員のマインドを変えていくためにも、引き続きチャレンジしていきます。

プロジェクト担当者:宇都宮 竜司
構成:林 亜季
写真:曽川拓哉

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