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プロトタイピングとは?新規事業開発で実施すべき理由と使い方を解説

2023.07.03

目次

    プロトタイピングとは「実際に製品やサービスを開発する前に必要最小限の試作品を作り、サービスのニーズや機能や見た目などを検証していくこと」です。試作品の段階で改善点を洗い出すことができるため、一般的な新規事業開発のプロセスに取り入れられています。

    「試作品を作ればいいだけの話か」と思われたかもしれません。しかし実は、プロトタイピングは「できるだけ作らない」ことが重要です。

    新規事業開発では、製品やサービスの検証を繰り返し行う必要があります。変わることが前提の試作品を作ることに力を入れすぎると、検証結果を受けてのスピーディーな改善が困難になり、事業化が進まなくなってしまうのです。

    本記事ではプロトライピングの解説から、正しい活用方法まで解説します。

    1. プロトタイピングとは

    冒頭でもお伝えした通り、プロトタイピングとは「実際に製品やサービスを開発する前に試作品(プロトタイプ)を作り、その機能や見た目、ニーズなどを検証していくこと」を指します。

    新規事業開発はもちろん、新商品やシステムの開発でも取り入れられているプロセスで、プロトタイプを顧客やユーザーに提示して、フィードバックを得ることで検証を行います。

    最初は簡単なプロトタイプで検証を行い、徐々に実際の製品・サービスに近いプロトタイプを作って検証を重ねていくというのが、プロトタイピングの基本的な進め方です。そのため、最初期のプロトタイプは、実際の製品・サービスに近い形態とは限りません。

    例えば、サービスのコンセプトを表したコピーや企画書、システムの画面を描いた資料などが、初期段階のプロトタイプとして用いられます。

    こうした簡単なプロトタイプから段階的に精度を上げていくことで、検証も精緻なものとなっていきます。

    もちろん製品やサービスを実際に開発して、顧客に使ってもらうことが最も確実な検証方法です。しかしそれでは大幅な修正に対応できない可能性があり、検証の意味が損なわれてしまうことがあります。予算に限りのある事業開発では、修正・改善に回す資金が尽きてしまうということもあるでしょう。

    このような懸念を回避しつつ、事業開発を段階的かつ効率的に進めていけるのが、プロトタイピングという手法なのです。

    2. 新規事業開発におけるプロトタイピングの目的

    新規事業におけるプロトタイピングの目的とは、「事業が顧客の課題を本当に解決し得るか、そしてその解決策に顧客がお金を払ってくれるかを、高速で検証すること」と言えます。

    仮説からスタートした新規事業を成立させるためには、何度も顧客に仮説をぶつけて検証を重ね、顧客の課題を解決できる(+顧客が利用したいと思える)事業案に仕上げていかなければなりません。目安としては、300回程度の検証を要します。

    検証する項目も、顧客の課題を解決できるかどうかに始まり、デザインや機能面で満足してもらえるか、実際にお金を払ってもらえるか……と多岐に渡ります。

    しかし社内で新規事業を開発する場合、事業案を提案するタイムリミットが設定されているものです。仮に期限を半年とすると、新規事業の検証作業は、1日に2回以上顧客に仮説を提示し、フィードバックを得る必要があります。そのため、仮説検証を高速で行わなければ間に合いません

    この「高速での仮説検証」の実現に、プロトタイピングが一役買います。前述の通り、最初期の検証においては、プロトタイプはコンセプトを表した文章だけでも構いません。これならメールやチャットで顧客に提示できるので、検証と改善を1日に2回、チームで手分けをすればより多く行うことも可能です。

    3. 新規事業開発にプロトタイピングを取り入れるメリット

    新規事業開発にプロトタイピングを取り入れる4つのメリットを紹介します。

    • 顧客の声に基づいた検証が行える
    • 致命的な手戻りが発生しづらい
    • 適切に方向転換できる
    • コスト浪費を避けられる

    顧客の声に基づいた検証が行える

    プロトタイピングは、最初期こそ企画書などの簡易的なもので検証を行いますが、最終的には実際の製品やサービスに近い(=製品・サービスと同じ価値を顧客が得られる)ものを制作します。

    プロトタイプがあることで、顧客は製品・サービスを格段にイメージしやすくなり、より具体的なフィードバックを得られるようになります。そのため、口頭だけででの検証に比べて、確実な検証が可能となります。

    致命的な手戻りが発生しづらい

    プロトタイピングで事業仮説の検証を進めると、致命的な手戻りが発生しづらくなります。プロトタイプを顧客に提示しながら検証を進めることで、早い段階で製品・サービスの問題点が明らかになり、その都度プロトタイプ改善していけるからです。

    もしプロトタイプを作ることなく、実際の製品・サービス開発に着手してしまうと、問題点を把握できるのは製品やサービスが完成した後です。そこで初めて検証をした場合、開発工程や事業案自体に見直しが必要となる恐れも出てきます。

    適切に方向転換できる

    プロトタイピングを取り入れることで、事業仮説を適切に方向転換させることができます。検証の結果、事業仮説が正しくなかった場合、前回のプロトタイプに戻って修正・改善をやり直せるためです。

    無駄なコスト浪費を避けられる

    新規事業開発にプロトタイピングを取り入れることで、無駄なコスト浪費を避けることができます。

    製品やサービスを実際に作った後で大幅な手戻りが発生すると、そこに割いた多くのコストが無駄になってしまいます。手戻りの起こりづらいプロトタイピングを取り入れていれば、無駄は生まれにくくなります

    また、プロトタイプで検証を重ねているので、顧客ニーズの無い不要な機能・仕様が製品やサービスに実装されづらくなります。そういった不要な機能・仕様に対してコストをかけずに済む点も、無駄が生まれにくくなる要素と言えます。

    4. 新規事業開発を進める上でプロトタイピングは必要不可欠

    さまざまなメリットのあるプロトタイピングは、新規事業開発において必要不可欠なものです。

    顧客課題を解決する製品やサービスを開発するには、検証での顧客の率直なフィードバックが必要です。少し具体的なアウトプットを顧客に当てるプロトタイピングでなければ、顧客の本音を引き出すことは困難です。

    コンセプトを口頭で聞いても、顧客は「いいと思います」としか言えないケースが多くあります。例えば、「会計業務の代行サービスを提供し、中小企業の総務担当の業務負担が低減される」という事業仮説を立てたとします。

    この場合、口頭で解決策を検証するなら、中小企業の総務担当者に「会計業務の代行サービスがあれば利用したいか」と問うことになります。しかしこの方法では、目の前で説明する人の熱意に押されて「利用してみたい」と答えるかもしれませんし、「予算があれば」という前置きが伏せられているかもしれません。

    一方でプロトタイピングなら、顧客に価値を提供してその反応を見ることで、仮説を検証できます。

    例えば、本当のサービスに近い体験ができるプロトタイプを提供するため、会計業務の一部を実際に請け負うことを申し出たとします。

    顧客が本当にサービスを必要としているなら、その申し出を受けてくれたり、委託したい業務をリクエストしてくれたりと、何かしらの行動を取るはずです。また、実際にどのような便益があるかを顧客に体験してもらうことで、具体的なフィードバックを教えてもらうこともできます。

    プロトタイピングなら、顧客の意見を聞くだけでなく、顧客がどう行動するか、変容するかという点の検証が行えるので、率直なフィードバックを得られるのです。

    補足:プロトタイピングを取り入れるのが難しいケースもある

    例えばショッピングモールなどの大きな施設を立ち上げる場合は、最初期の簡単なプロトタイプを作ることができても、本物に近いプロトタイプは作ることができません。ゲームなどの製品についても、本物に近い体験を届けるには製品を作り込むしかないため、プロトタイプでの検証は有効ではありません。

    このようなケースでは、リサーチに重点を置いた検証が必要になることを留意しておきましょう。

    5. プロトタイピングを実践するコツ3つ

    プロトタイピングの実践にはコツがあり、これを守らないとプロトタイピングの利点を最大限引き出すことができません。実際に取り組む際には以下の3つを守るといいでしょう。

    • 検証すべき項目を明確にする
    • 検証と修正のスピードを上げる
    • 最小限でプロトタイプを作る

    検証すべき項目を明確にする

    プロトタイピングには「何を検証するのか」を明確にした上で取り組んでください。検証項目がはっきりしないままプロトタイプ作りを行うと、本当に必要な検証が行えなかったり、逆に不要なところまで作ってしまったり、ということが起こります。

    効率よく検証を実施するために、

    • 製品・サービスの需要
    • 必要な機能や仕様
    • 顧客による製品・サービスの使い方
    • 見た目(顧客が見る画面など)の分かりやすさ
    • 顧客に価値を提供できるか

    など、これから何を確かめるのかを明確にした上で、それに必要なプロトタイプを作るようにしましょう。

    検証と修正のスピードを上げる

    プロトタイピングでは、検証と修正を可能な限り速く行うようにしてください。事業仮説が事業化に至るまでには300回程度の検証が必要ですが、検証・修正の1回転に時間をかけていてはなかなかこの回数に到達することができません。

    しかし、検証が終盤に差し掛かってくると、顧客が実際に利用できるレベルのプロトタイプを用いることになり、どうしても数日の時間を要します。

    検証が進むにつれて回転数が落ちてくることを考慮し、特に序盤で行うべき検証は、簡単なプロトタイプを使って、1日あたりの回転数をできるだけ増やすことが重要です。

    例えば、検証期間が半年なら、300回÷120営業日=2.5回なので、1日あたり2.5回の回転が必要です。しかし、検証の後半では回転数が数日に1回にまで落ちてくるはずなので、初期の検証ではチームメンバーで手分けするなどして1日あたり4〜10回転を確保しておかなければなりません。

    最小限でプロトタイプを作る

    検証と修正のサイクルを高速で回すには、最初から完成品に近いプロトタイプを最初から作るのではなく、検証したい項目に必要な部分だけを顧客に提示するやり方が有効です。

    例えば、サービスの需要の有無を検証したいのなら、プロトタイプは企画書で十分です。企画書を顧客に見せて、意見を聞いたり、そのサービスを必要としていそうな人を紹介してもらったりするだけで、サービスの需要は検証できます。

    検証したいことに応じて最小限でプロトタイプを作る(=できる限り作らない)ことで、検証の回転スピードは大幅に向上させることができるのです。

    補足:検証可能な最小限のプロトタイプ=MVP

    ここでお話ししたような、検証のために作られる必要最低限のプロトタイプのことをMVP(Minimum Viable Product)と言います。

    6. 【レベル別】最小限で高速プロトタイピングを行う手法

    プロトタイピングにうまく実践するコツとして、最小限でプロトタイプ(MVP)を作ることで、検証と修正の回転を高速で回す、ということをお伝えしました。

    ここでは、MVPを用いてプロトタイピングを行う手法についてお話しします。

    レベル1に近いほど、検証項目は大まかにはなりますが、すぐに作ることができ、検証を高速で行えます。レベルが上がるほど精緻な検証が可能になりますが、時間がかかり、検証の回転速度も落ちてきます。

    基本的にはレベル1から徐々にレベル6へと移行するのが適切です。事業によっては必ずしも全てのレベルを実践しなくても構いません。重要なのは、何を用いれば必要な検証が行えるかということです。

    それを踏まえて、レベル1の手法から見ていきましょう。

    【レベル1】簡易的な資料でコンセプトを伝える

    最も簡単なプロトタイピングは、コンセプトを説明した簡易的な資料を顧客に提示することです。

    簡易的な資料の例はこちら。

    • コンセプトを説明した言葉
    • 紙に書いた製品やサービスの説明・図
    • 企画書
    • 簡易的なチラシ

    これらを顧客に見てもらい、意見を聞くことで検証します。

    例えば、飲食店へのヒアリングを通して、「来店客のアンケート用紙の集計に課題を抱えている」ことが分かったとします。課題の解決策として「手書きのアンケート回答のデータ入力や集計を自動化できるツール」を考え、その概要を説明した簡易的な資料を顧客に定時することで、以下のような項目が検証できるのです。

    < 検証できること >

    ◆提供すべき価値(機能)
    「グラフで可視化してくれるのは良いね」という意見や、「集計結果を週ごとで比較したい」などのリクエストが見えてくる。

    ◆需要
    利用を希望する声。他の人にも紹介してくれる、今後の検証にも付き合ってくれるという「行動」からも需要を把握できる。

    ◆初期の顧客
    検証に付き合ってくれることを約束してくれる相手が初期顧客となる。事業化に向けて顧客を獲得していけるかが分かる。

    【レベル2】サービスモデルを手作業で再現する

    人力・手作業でサービスモデルを再現し、顧客に対して課題解決や価値提供を試みます

    例えば先程の「手書きアンケートの回答データ入力や集計を自動化できるツール」を例にすると、アンケートの回答を自身で手入力し、エクセル等で集計を行うのです。その結果を飲食店へ送れば、飲食店側の視点ではデータ入力・集計が自動化されたことになり、サービスの擬似体験をしてもらうことができます

    これにより、以下の項目が検証できます。

    < 検証できること >

    ◆顧客にとっての価値のうむ
    人力で代替して擬似的にサービスを提供することで、本当に価値があるサービスなのか検証できる。

    ◆「体験」に対する感想
    ポジティブ/ネガティブ含め、サービスを体験した上での感想が得られる。

    ◆改善策
    「集計結果の分析までしてくれると助かる」などの意見から、改善すべき点が把握できる。

    ◆サービスフローの詳細
    実際のアンケートの件数など、レベル1では把握できなかった細かいフローを確かめることができる。

    【レベル3】 既存製品・サービスを組み合わせて再現する

    ここでは既存の製品やサービスを組み合わせて、レベル2よりも実物に近いプロトタイプでの価値提供を行います。

    例えば、以下のように既存ツール・サービスを組み合わせることで、より実物に近い「手書きアンケートの回答データ入力や集計を自動化できるツール」を再現できます。

    手書き文字をデータ化するOCR※アプリでアンケートを読み取ってもらう

    OCRアプリで読み取ったデータをLINEなどで送ってもらう

    クラウドソーシングなどで委託して、元データを集計しやすい形式に変換する

    既存の自動集計ツールにデータを入れる
    (顧客がツール上で結果を見られるようにしておく)

    ※文字を読み取ってデータに変換する技術

    こうした、既存の製品やサービスを組み合わせたプロトタイピングでは、以下の項目を検証することができます。

    < 検証できること >

    ◆既存製品/サービスを介することで顧客体験が毀損されないか
    製品・サービスによるオペレーションで、不具合や不都合が発生しないか。

    ◆開発する製品やサービスに求められる機能
    「プロトタイプに利用した既存ツールやサービスに、どのような機能・仕様が備わっていれば顧客体験を毀損せずに済むか」という視点から検討する。

    【レベル4】ビジュアルを作る

    レベル4では、製品やサービスのビジュアル面を作り、顧客に価値や魅力を伝えてみます。

    実物の作成にはまだ着手しませんが、既に製品やサービスがあるかのようなビジュアルをプロトタイプとして顧客に提供するのです。

    ここで作るビジュアルとは、以下のようなものです。

    • 製品の見た目やツールの画面
    • 製品名/サービス名とそのロゴ
    • 既に製品やサービスが完成しているかのようなチラシ・資料
    • 見た目だけのハードウェア

    「手書きアンケートの回答データ入力や集計を自動化できるツール」の例で言えば、顧客がスマホなどのデバイスで手書きアンケートを読み取っているイメージや、集計結果が表示された画面などもビジュアルにあたります。

    このような、「見た目の部分」をプロトタイプとして顧客に提示することで、以下のような項目が検証できます

    < 検証できること >

    ◆ビジュアルで製品やサービスの意図を理解してもらえるか
    口頭で説明しなくても、どのような製品・サービスかを顧客が理解できるか。

    ◆顧客を獲得していけるか
    チラシなどを使って実際に営業ができるか。

    ◆集客できるか
    例えば遠隔の顧客にSNS・Web広告等でビジュアルを提示してみて、問い合わせや申し込みがあるかどうか。

    【レベル5】既存システムを用いて試作品を作る

    レベル5でようやく、一般的にイメージされるような「試作品」を作ります。とはいえ、いちから作るのではなく、既存のシステムを使い、できる限りコストと工数を抑えて作ります

    「手書きアンケートの回答データ入力や集計を自動化できるツール」の例を見てみましょう。

    このツールをWebサービスとして提供するなら、「読み取ったアンケート回答データのアップ先であり、集計結果を閲覧できる場所」としてWebサイトを構築します。この際、サイト構築はWordPressやWixなどの既存システムによって手早く行います。

    既存システムで用意した、実物に近い試作品を顧客に提供することで、以下のような項目が検証できます。

    < 検証できること >

    ◆顧客が想定通りに製品・サービスを使ってくれるか
    実際に使ってみての意見を聞いたり、使われ方を見ることで把握したりする。

    ◆改善すべき点
    顧客の意見や使われ方から、実際に開発に進む前に改善すべき点を把握する。

    【レベル6】検証に必要な機能だけを実際に作る

    最終段階のプロトタイピングでは、検証に必要となる機能や仕様を実際に作っていきます。

    レベル6を実践する頃には、これまでの検証を通じて、搭載する機能・仕様についてほぼ固まっている状態のはずです。同時に「実際に作ってみないと分からないこと」も出てきます。

    ここで作るのは、「実際に作ってみないと分からないこと」を検証するのに必要な機能(のみ)です。

    「手書きアンケートの回答データ入力や集計を自動化できるツール」で言えば、「回答の元データを集計しやすい形式に変換し、自動集計ツールに入れ込む機能」が、作るべき機能となります。

    < 検証できること >

    ◆実際に作ってみないと分からないこと
    サービスの実現性。運用にかかる費用 など。

    7. プロトタイピングによる事業検証の前にアルファドライブへご相談ください

    新規事業開発にあたってプロトタイピングを実践されるなら、ぜひ一度アルファドライブまでご相談ください。

    私たちが新規事業におけるあらゆるフェーズをサポートします。それを実現させるのが、以下のようなアルファドライブならではの強みです。

     

    アルファドライブはこうした強みによって、新規事業開発プログラムの運営におけるプロトタイピングをサポートし、事業化の可能性を高めます。ぜひ一度私たちにお話をお聞かせください。

    8. まとめ

    プロトタイピングがどのようなものか、理解を深めることができたでしょうか。最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。

    まず、プロトタイピングとは「実際に製品やサービスを開発する前に試作品を作り、その機能や見た目、ニーズなどを検証していくこと」です。特に新規事業開発のプロセスにおいては、「事業仮説が顧客の課題を本当に解決し得るかを高速で検証すること」を目的として取り入れられています。

    新規事業開発にプロトタイピングを取り入れることで、以下のようなメリットも得られます。

    • 顧客の声に基づいた検証が行える
    • 致命的な手戻りが発生しづらい
    • 適切に方向転換できる
    • コスト浪費を避けられる

    このようなプロトタイピングは、顧客から嘘のない率直なフィードバックをもらうことに適しており、本当に利用してもらえるニーズの高い製品・サービスを開発して事業を成功させるには欠かせないものです。

    ただ、うまく取り組むにはコツが必要です。
    以下3つのコツを守って適切にプロトタイピングを実践しましょう。

    • 検証すべき項目を明確にする
    • 検証と修正のスピードを上げる
    • 最小限でプロトタイプを作る

    このコツを守りながらプロトタイピングに取り組むには、簡単ですぐに作れるプロトタイプによる検証から、作るのに時間がかかるプロトタイプによる検証へと段階的に移行していくといいでしょう。

    今回の記事が、あなたの会社での新規事業開発の一助となれば幸いです。

    筆者について

    イノベーション事業部 シニア・ディレクター

    白杉 大

    株式会社リクルート新卒入社後、中古車領域の販促支援コンサルティング、研修制度開発、働き方改革などを推進。同時期に、複数の事業内新規事業にアサインされ、事業開発、組織の立ち上げを経験。また、社内新規事業起案制度(NewRING)を利用し自身のアイデアも起案。200件以上の提案からグランプリに選出され、事業開発に専任従事。新規事業開発に関わる中で得た経験の濃さから、会社員がキャリアの中で新規事業に関わる意義を強く感じ、2019年7月よりアルファドライブ参画。500案件以上の起案者支援メンタリング、複数の大手企業に対する制度設計支援、事業支援、研修実施に携わる。NewsPicksアカデミアにて、「顧客ヒアリング研修」「プロトタイピング研修」講師を務める。

    株式会社リクルート新卒入社後、中古車領域の販促支援コンサルティング、研修制度開発、働き方改革などを推進。同時期に、複数の事業内新規事業にアサインされ、事業開発、組織の立ち上げを経験。また、社内新規事業起案制度(NewRING)を利用し自身のアイデアも起案。200件以上の提案からグランプリに選出され、事業開発に専任従事。新規事業開発に関わる中で得た経験の濃さから、会社員がキャリアの中で新規事業に関わる意義を強く感じ、2019年7月よりアルファドライブ参画。500案件以上の起案者支援メンタリング、複数の大手企業に対する制度設計支援、事業支援、研修実施に携わる。NewsPicksアカデミアにて、「顧客ヒアリング研修」「プロトタイピング研修」講師を務める。

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